ブルックナーはどうも毎日聴いていると生活に欠かせない位の物になるのですが、暫く聴いていないと逆に飽きてしまいます(笑)煙草とか麻薬とかそういうものの性質に近いのかもしれません。
夏バテした身体にぴったりの、たまに涼しくなった日の涼風のような演奏です。何時も気になる音の腰の無さ(むしろそれが長所でも有るのですが)もこっちがへばっているせいも有るのかまるで気になりません(笑)第四楽章が一番良かったでしょうか。聴いていて綺麗で自然な感じが素晴らしかったです。とはいえ、まぁ全て良いですねぇ。行雲流水といった趣です(笑)チェリの音楽は4番の柔らかさと相性が良いとも思います。
ユニークな所の一つはテンポがゆったりなので、一つの楽句が真ん中で小休止を挟んで二つに聴こえたりする所です。歌手なら息継ぎの指導をされる所でしょうが、そもそも一つのパッセージを一気にやった方が芸術として高まるのか、一寸変えた方が良いのかという事にはどんな分野でももっと探求されるべきだと思います。といいますか、一般的なやり方を正当としないで一つの例として示せば良いと思うんですよね・・・。
チェリの楽譜のテンポ指定を守らないという宣言は、楽曲全体よりも音響を優先する自分の美学に従うという事だと思います。片山杜秀さんが富田勲について曲より音そのものに興味が有るのではないかとの旨を書かれていましたが、チェリビダッケは指揮者中の富田勲と言えるかもしれません。ブルックナーの演奏の中でも極めて特殊で、たまには良いものです。自分の音楽をやっている人のCDはまさに聴く価値が有ります。
それにしても今月号のレコ芸で宇野先生がチェリが良く展覧会の絵を振るのを訝しんでいましたが、こんなぴったりの組み合わせは無いと思うんですけどねぇ。宇野先生はきっと展覧会の絵はそこまで好きじゃないんだろうなぁ。大体宇野先生の曲の好みは、特に小品~中品?は僕と殆ど被らないんですよね(笑)展覧会の絵は親しみ安い様で厳しさも有る良い曲で私は大好きです。
聴いた曲の感想を一々書くのも手間ですね・・・と思うことも有るんですが、金田正一投手の筆まめな在り方等を見ていますと、やっぱり書き留める事は大切だなぁと気持ちが新たになります。これからも出来る範囲で丁寧に書いて行こうと思います。
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