東京国立博物館 支倉常長像と南蛮美術―400年前の日欧交流―

#その他芸術、アート

最終日に行って参りました。

目玉の「支倉常長像 アルキータ・リッチ作 17世紀 個人蔵」は個人蔵とのこと。

謁見した相手のスペイン国王はフェリペ2世。常長も帰路に通ったフィリピンの名前のもとになった人物です。

家紋であるとか季節に合わせた着物であるとか、ものすごく情報量の多い絵で驚くくらいです。

他の平常展示では国宝室に「国宝 伝藤原光能像」が。他の神護寺の国宝肖像画の写しも飾られていて、なかにはかの「伝源頼朝像」が飾られていましたが、その直前に展示されていた死後100年ごろに造られた頼朝の彫刻と「異なりはしないだろうか」という解説が。違うだろうということで教科書からも外されている肖像画であり、神護寺で住職が横山さんに源頼朝だ、と言っていたのはおかしかったですよね。

他の肖像画もいろいろな説が提出されているらしく、混線を極めているなという印象。わざわざ書かないのは名前を忌むような感覚があったんですかね?

「おひなさまと雛(ひいな)の世界」は春らしい特集。
ここにあるのはどれも由緒正しいもので、発生の理由としては、有職故実の継承というのがあったんだな、ということを感じました。

仏像コーナーでは「地蔵菩薩立像 1躯 善円作 鎌倉時代・延応2年(1240) 奈良・薬師寺蔵」がわずかに腰をかがめた姿に、無限の慈悲と地蔵菩薩の個性が込められた傑作。そのわずかな角度がすべてを語ります。

「阿弥陀如来立像 1躯 鎌倉時代・13世紀 個人蔵」は螺髪を銅線で作ったという凝った作品。浄土に現実感を持たせるためという解説でしたが、玉眼などと同じく現実?を表現しようという意欲といえるでしょう。

「増長天立像 1躯 平安時代・9世紀 京都・仁和寺蔵」も丁寧な彫で構成された力強い傑作。

「桜賦 1幅 佐久間象山筆 江戸時代・19世紀 会津秀雄氏寄贈 B-2981」はこの前鑑定団に出ていたものですかね?

漆芸では秀吉から伊達政宗に贈られたという「菊桐紋蒔絵二重短刀箱 1具 安土桃山時代・16世紀 山形・本間美術館蔵」がきわめて豪華。

「銹絵葡萄図角皿 1枚 乾山 江戸時代・18世紀 G-33」はくすんでいるなと思ったら万博帰りに沈んだ沈没船から引き揚げられたものなのだそう。

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