「街の歌」からは緩徐楽章を選んでいますけど、やっぱりアレグロよりはそっちの方が得意なグループだとご自身方でも思われているのでしょう。
中間部のピアノの左手の「月光」の第一楽章のような動きが印象的。これがくぐもった深みを楽想に与えています。
雨がけぶる感じというか、旋律が交錯しながら明るく深みのある音楽を形作っています。
「街の歌」という愛称は借りてきた歌劇の主題からきているそうですが、散歩好きだったベートーヴェンが、街を愛し街に愛された人間だったことを思い出させますね。
なんか聞いていると、シューベルトがすごく合いそうな楽団だなと感じます。
ということで最後はシューベルトの「楽興の時 第3番」。
ヴァイオリンのヒンクがポピュラーな旋律を注意深いニュアンスで刻んでいきます。軽やかで楽しいコンサート終わりだったといえるでしょう。
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